日本バス協会「貸切バス事業者安全性評価認定制度スタート」

 4月1日から日本バス協会で「貸切バス事業者安全性評価認定制度」がスタートしました。

 これは、平成19年2月に大阪府吹田市で発生しました高速ツアーバスの重大事故が発端となり、国土交通省をはじめとする関係機関の実務者をメンバーとする「貸切バスに関する安全等対策検討会」の提言をもとに創設された貸切バス事業の安全性を評価する認定制度になります。

 

申請は4月1日からスタートし、6月30日まで。

認定事業者は8月頃に決定します。

認定事業者は、車体にステッカーを貼ったバスが各地で発車し、利用者や旅行業者が良質な事業者・サービスを選択できるよう、安全性を軸に「3つ星(☆☆☆)」「2つ星(☆☆)」「1つ星(☆)」の3段階でランク付けされます。
 ただし、初回は「1つ星(☆)」のみの認定になります。

 

⇒詳しい内容は「日本バス協会ホームページ」をご覧ください。

 

 貸切バスは、道路運送法の「一般貸切旅客自動車運送事業」としてのいわゆる観光バスとしての広く利用されていますが、近年では、いわゆる「ツアーバス」と呼ばれる、旅行会社が主催し、利用者はインターネットで申し込みを行う高速道路を利用した都市間輸送サービスが急速に進展していますが、その多くがいわゆる10両以下の家族的経営の小規模事業者であるため、過密労働や古い中古車両での運行など安全性が不安視されていました。

 吹田市の事故についても、運転者が事故の直前まで18 日間連続で夜間運転していた事実も認められており、「貸切バスに関する安全等対策検討会」の報告でも「安全等に対する取り組みを、どの貸切バス事業者が適切に行っているか利用者から見た場合に不明」、「旅行会社との取引においては、貸切バス事業者の安全性等の質よりも運賃の高低が優先される場合もある」といった問題点が指摘されていました。

 

 軌道バス部会では、事故が発生しツアーバス問題が顕在化する前から警鐘を鳴らしており、この機会にツアーバス事業者への抜本的な安全性の確保を強く働きかけていきたいと考えております。

 詳しい活動内容は「軌道バス部会ブログ~ツアーバス問題に係わる安全対策について」(2010.10.15)をご覧ください。

 

⇒「交通労連ニュース」へ戻る