【国土交通省】東北地方における運輸の動き「東日本大震災特別復興版(その3)」

 国土交通省・東北運輸局では、震災以降延期していた「東北地方における運輸の動き」を 「東日本復興特別版」として発行を再開し、8月末に第3号を公表していますので案内します。

以下、国土交通省メールマガジンより一部抜粋

 

 国内航空や高速バスにおいては、新幹線の代替輸送として一時期は増加が見られたものの、徐々に前年並みの実績に戻りつつあります。
 また、回復が50%程の太平洋側の港湾に替わって機能している日本海側の港湾における貨物取扱数は、対前年同月比約2倍増で推移しています。
 また、被災地域では、軽自動車の方が登録自動車より新車登録台数の対前年比のマイナス幅が小さくなっており、特に宮城県や岩手県では軽自動車の需要が高いことがうかがえます。

<高速バスの輸送人員の推移>

  • 震災後は新幹線の運休により、高速バスが首都圏と東北各地を結ぶ代替輸送機関として機能し、高速バス利用による輸送人員のうち4月の対前年同月比は89.2%の大幅増となりました。
  • なお、仙台と東北各地を結ぶバス路線での4月の輸送人員は、同比18%増でしたが、震災後に発生した地元バス会社の予約システム障害による減便の影響等で、首都圏と東北各地の輸送人員の増加率に比べると、それほど伸びませんでした。
  • 新幹線の再開により(山形新幹線は4月12日、東北新幹線・秋田新幹線全線は4月29日に運行再開)、5月以降の高速バスの輸送人員は、首都圏と東北各地では対前年同月比15%程度で推移しているものの、仙台と東北各地では例年並みの実績となっています。

<タクシー・ハイヤーの輸送人員の推移>

  • 震災直後は、風評被害等の影響による観光客の減少や、繁華街での利用客の減少により、落ち込んでいるとの事業者からの声がありました。
  • 宮城県、岩手県は事業者の被災、福島県は原発による避難勧告の影響により営業に支障が出たため減少しましたが、5、6月は保険会社による被災地の被害調査で、タクシー利用の一時的な大幅増がありました。
  • 5月以降の仙台の状況として、震災の復興支援関係者の利用が多いものの、観光客の利用はまだまだ少ない状況にあります。

<新車の登録台数の推移(登録自動車)>

  • 震災により3月以降は、東北各県で大幅に落ち込んでいましたが、宮城県では4月以降、対前年同月比プラスに転じ、岩手県でも回復傾向がうかがえます。
  • なお、昨年はエコカー補助による需要増があったことを考慮すれば、4月期以降のプラスの意義は大きいものと言えます。
  • 7月の全国の前年同月比はマイナス27.5%となっていますが、東北地方ではマイナス11.4%で、全国平均を上回っています。

<新車の登録台数の推移(軽自動車)>

  • 震災により3月以降は大幅に落ち込んでいましたが、特に宮城県では4月以降ずっと、対前年同月比20%以上の大幅プラスに転じています。岩手県でも5月にプラスに転じ、回復傾向にあります。
  • 4月以降は軽自動車の方が登録自動車より対前年比のマイナス幅が小さくなっており、特に宮城県や岩手県では軽自動車の需要が高いことがうかがえます。

<外貿コンテナ貨物取扱数の推移>

  • 震災により太平洋側(八戸港、大船渡港、仙台港、小名浜港)の港湾機能が停止したため、日本海側(秋田船川港、酒田港)経由の輸送が35%~100%以上と著しく増加しました。
  • 八戸港は5月19日から外貿コンテナの取扱が再開されましたが、仙台港、小名浜港、大船渡港は被災により港湾機能の停止が続いています。
  • なお、内航コンテナの取扱は、仙台港では6月8日、小名浜港では7月12日より再開しています。

<登録ホテル・旅館宿泊実績の推移>

  • ホテル宿泊者数は岩手、宮城、福島各県は復興支援関係者の宿泊が相次ぎ増加しました。宮城県の3月実績は、震災による被害で営業していないホテルがあったため極端に減少しています。
  • 旅館宿泊者数は、4月以降の岩手、宮城、福島各県では、復興関係者や二次避所として避難者を受け入れたことなどにより、宿泊者数の実績が大幅に増加しました。
  • 青森、秋田、山形各県においてはホテル、旅館宿泊者数とも前年同月比を下回っており、観光客の利用は依然厳しい状況にあることがうかがえます。

 ■詳細は東北運輸局ホームページからご覧頂けます。
   http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/ks/ks-sub11.htm

 

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