ライドシェア(白タク合法化)の断固反対!で一致

民主党タクシー政策議員連盟総会に交通労連ハイタク部会も参加

国会休会中にも関わらず 多くの国会議員が集まりました
国会休会中にも関わらず 多くの国会議員が集まりました

 民主党タクシー政策議員連盟(前田武志会長)は、十二月二日に参議院議員会館で総会を開き、新経済連盟(代表理事・楽天三木谷社長)が規制改革会議などに提案している「シェアリングエコノミー」について、「白タクを合法化する内容でタクシー業界として絶対に認めることができない」と訴えました。

 今後、民主党を中心とした国会議員および業界、労使が一致団結して白タク合法化を阻止していくことを確認しました。

 なお、総会には、国会議員や国土交通省、全国ハイヤータクシー連合会、連合、交運労協、そしてハイタクフォーラムの一員として交通労連ハイタク部会も参加し、意見を述べました。

京丹後市の特区提案にも、各国で訴えられているウーバー社の影が

 総会は交通運輸政策研究会(交通労連議員懇談会)のメンバーでもある金子洋一事務局長(参議院議員)の開会あいさつで始まりました。

 冒頭、民主党タクシー政策議員連盟の前田会長(参議院議員)のあいさつの後、国土交通省自動車局の持永審議官から「タクシー特措法に基づく特定地域の指定状況」や国家戦略特区として京丹後市から提案されている「交通空白地区での自家用車を利用するライドシェア」について説明がありました。

 持永審議官は、「京丹後市からの提案は、タクシーなどの公共交通の空白地域で自家用車を利用した有償運送であり、実施主体はウーバー社を想定しているようだ」と述べ、新経済連盟からのライドシェアに関する提案のポイント(別項参照)を参照しながら、「ウーバー社は利用者と自家用運転者とマッチングして、手数料を収受する事業を行っているが、運送責任は負わないというスタンスで、運行管理も行わない。また、株式会社という営利を目的とする事業者が白ナンバーの自家用車を使って、有償運送を行うことは、現行の自家用有償運送の制度と全く異なる」と現行制度と異なる点について言及し、「京丹後市の特区での提案は過疎地での展開だが、新経済連盟が提案されているライドシェアについては、おそらく都市部での展開を想定しており現在、減車やサービスの向上などに取り組んでいるタクシー業界に影響が出るのは間違いない」と述べました。

多くの国で禁止されているライドシェアを何故日本が導入するのか?

 続いて、全国ハイヤータクシー連合会の富田会長は、「業界としては戦後最大の危機と捉えており、事業者大会では『白タク反対』の総決起集会を行い、ライドシェアを断固認めない決議を行った」と述べました。

 また、川鍋副会長は、「タクシーは事故が起きた時の最終責任は当然事業者がとるのに、新経済連盟のライドシェアの提案は運送責任はとらないと明言している。これは明らかにおかしい。国際的にも多くの国でライドシェアは禁止されている。また、ウーバー社は数多く訴えられており、それを何故日本で認めるのか」と訴えました。

運送責任を取らないライドシェアは安全を確保できるのか!?

 ハイタクフォーラムから伊藤代表が「人命を預かる限りは特区といえで、安全を確保できないサービスは認められない」と訴えました。

 また、交通労連ハイタク部会の小川部会長は、「日本のタクシーは世界的にもっとも安心・安全でサービスが行きとどいていると評価を受けている。人命を預かる公共交通は安全確保などの規制すべき点は規制を行い、新しく需要を喚起するためのサービス向上に繋がる点は規制を緩和していくことが必要だ。ライドシェアでは運行管理も行われず、利用者の安心・安全の確保ができるのか」とライドシェアの問題点について指摘しました。

新経済連盟からの提案のポイント(ライドシェア関係)

1.運送責任
 運転者個人が運送サービスの提供主体となり、マッチング事業者(プラットフォーム)は運送責任を負わない。

2.安全確保
① 運転者要件
 年齢(21歳以上75歳以下)、1種免許取得後1年以上の経過、講習の受講等の要件とし、2種免許の取得は不要とする。
② 車両要件
 現行の自家用車についての車検制度の他、10年以上経過した車両でないことを要件とする。
③ その他の措置
 運転者のアプリ評価システム、運転者のバックグラウンドチェック、1日当たり運転時間の上限設定、事故時の報告義務等

3.利用者保護
① 保険
 事故が起きた際の補償について、自賠責保険の他、運転者個人及びプラットフォームの任意保険加入を義務付ける。
② 責任追及
 責任追及の対象は、運転者個人とする。

国土交通委員会でもライドシェアについて質問

 翌日、衆議院と参議院で国土交通委員会が開かれ、民主党議員からライドシェアについて質問が出され、答弁に立った国土交通省自動車局の藤井局長は、ライドシェアについて安全確保の観点からも導入については慎重な検討が必要であると現時点での見解を述べました。

 また、内閣府の担当者からは、「提案されたシェアリングエコノミーについては、民泊サービスについてのみ検討を進めている」とライドシェアについては検討が始まっていないと説明がありました。

 交通労連ハイタク部会としては、運送責任を取らず、安全確保が不十分であり、タクシー事業を大きく揺るがしかねない新経済連盟が提案しているライドシェアについては国会議員、全日本ハイヤータクシー連合会、ハイタクフォーラムの仲間と一致団結して反対していきます。

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