年頭のあいさつ ~数を力に変えよう

新年あけましておめでとうございます。
 アメリカの大統領選挙、EUから離脱したイギリスの問題やヨーロッパの政治も混迷をきたしており、また、隣の国の中国や韓国、フィリピンも問題を多く抱えている。なぜこのような問題が出てくるのかというと、格差が今まで以上に拡大していることが原因の一つと考える。日本も格差が拡大しつつある中で、「アベノミクスで間違いなく経済は成長している」と安倍首相は言っている。

 今年の春闘も、「賃上げをしていただきたい」と経団連にお願いしている始末だ。賃上げについては、あくまでも労使による交渉の結果であり、安倍首相にお願いされたからと言って上がるものではない。アベノミクスが好転せず、その失政を改めることなく、安倍首相の暴走は止まっていない。

 さて、昨年一年間を振り返ると、まずもって昨年4月に発生した熊本地震の際に、取り組んでいただいた救援カンパ活動について改めて御礼申し上げる。
 全国の仲間から約1千万円強の浄財が寄せられ、全額を被災組合員および被災地熊本へお渡しすることが出来た。 

 また、昨年7月10日投開票された第24回参院選に際しても、皆様より多くの支持をいただき、全国比例区で「かわいたかのり」氏を196,023票の得票で、民進党比例候補の5位で当選させることが出来たことにも感謝申し上げたい。川合議員は現在、民進党の政策審議会の会長代行を拝命され、産業政策の要請の全てに目を通す立場となり、「労連の要請する産業政策の実現に向けて一層取り組みたい」との言葉をいただいた。今後に期待したい。

 「政治に無関心でも無関係ではない」という言葉があるが、社会や働き方のルールは政治により変わっていく。そのため、われわれ労働者のための政策に賛同する国会議員を増やすことが大切だ。
 同じ考えを持つ人達が団結し、その数が増大することで、より強力な力になり、その力が政策を実現する力となる。
 今後、衆議院の解散総選挙がいつになるか分からないが是非、ご理解いただき、投票に必ず行っていただきたい。

 本年の重点課題の2点について触れたい。
 1点目は2017春闘である。
 連合方針では、「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みを強化することを掲げ、具体的要求項目として「賃上げ要求」は、すべての組合が月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。賃上げ要求水準は「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする。中小共闘では、連合加盟組合全体平均賃金水準の2%相当額との差額を上乗せした金額を賃上げ水準目標(6,000円)とし、賃金カーブ維持分(1年・1歳間差)(4,500円)を含め、総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める。また、一時金、年収確保の観点も含め水準の向上・確保を図ることとした。

 交通労連は連合方針を基本に、「年収の引き上げ」「政策・制度の実現」「組織拡大」を三位一体で取り組むとともに、それぞれの業種実態を踏まえ、業種横断的な賃金の確立と底上げをめざす方針案とした。要求額については、各部会の関係業種産別・連合の交通運輸共闘連絡会議とも連携を図り、一月の中央委で方針を決定する。

 2点目は組織の強化・拡大である。終わりはなく継続して取り組むべきテーマであり、毎日の実践の積み重ねである。土壌を耕し種をまき、雑草を取り除き、収穫する。まるで畑に作物を育てるのと同じだ。頻繁に顔を出し、相談に乗り、課題解決に向けて汗をかかないと信頼関係は生まれない。一方で、経営者にも会い、組織防衛の観点からのアプローチも必要だ。

 組織を強化・拡大することで、業種別部会ごとに抱える課題の解決にも繋がる。
 例えば、トラック部会では、トラック産業の取引環境・労働時間改善協議会および生産性向上協議会で協議している長時間労働の縮減や労働力不足の改善、運賃・料金の収受等、ハイタク部会では、「ライドブッキング」による「白タク」行為の導入等の課題がある。

 いずれの政策課題の解決にも、組織拡大による数の力が欠かせない。「数を力」にしないと前には進まないことを自覚し、「組織強化・拡大」に向けて頑張ろう。
 皆様のご健勝とご多幸をお祈りし、新年の挨拶としたい。

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